耳介軟骨再生の課題である長期形態維持性を改善するため、近年軟骨膜に存在することが判明した組織幹細胞とその保持機構に着目した。家兎耳介の研究を計画したが、先に自らの家兎肋軟骨膜研究で、軟骨新生の前に軟骨膜内に血管新生が生じることが明らかになり、肋軟骨モデルで、血管新生阻害剤を持続投与し、血管新生の阻害と軟骨新生との関連について調べた。血管新生阻害剤により、軟骨膜内の新生血管数が減少し、その後の新生軟骨量も有意に抑制された。軟骨膜血管新生と新生軟骨の増殖・分化に相関を認めたことから、軟骨膜内での血管新生が軟骨膜前駆細胞/ 組織幹の保持機構に作用し、軟骨新生対するトリガーになることが示唆された。
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