研究課題/領域番号 |
26670781
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
今井 由美子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50231163)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | インフルエンザ / RNA核外輸送 |
研究実績の概要 |
インフルエンザウイルスはマイナス鎖の一本鎖RNAをゲノムに持つウイルスである。ウイルスRNAの複製、転写は感染細胞の核内で起われ、これが核外に輸送されることによってウイルスが増殖する。インフルエンザウイルスRNAの核外輸送には宿主側のRNA核外輸送因子NXF1が関与していることが知られている。本研究課題では、NXF1を中心としたウイルスRNAの核外輸送機構を明らかにし、それを標的とした抗ウイルス薬の開発の可能性を探ることを目的としている。当該年度は、NXF1タンパク質の各種ドメインに変異の入った組換えタンパク質を用いて、ウイルスRNAとのRNAゲルシフトアッセイを行い、ウイルスRNAと直接結合するNXF1のドメインを同定した。さらに同ドメインとウイルスRNAの核外輸送に関与するヌクレオポリンの相互作用に関して解析を行った。これらの結果から、インフルエンザウイルスRNAに特異的なNXF1を介したRNA核外輸送機構が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、インフルエンザウイルスRNAと直接結合するNXF1のドメインを同定し、さらに同ドメインと相互作用するヌクレオポリンに関して解析を行った。これらの結果は、本研究課題が目的としているインフルエンザウイルスRNAに特異的なNXF1を介したRNA核外輸送機構の解明につながると思われ、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの検討からインフルエンザウイルスRNAに特異的なNXF1を介したRNA核外輸送機構が明らかになりつつある。今後は、そのメカニムズの詳細を解析するとともに、ウイルスRNAに特異的なRNA核外輸送を標的とした抗インフルエンザ薬の開発の可能性に関しても研究を推進する。
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