研究課題
敗血症の病態進行に伴い、細胞の核から生命維持に必須なタンパク質が放出され本来の生命維持機能とは逆の生体を死へ導く。したがって,これらの核タンパク質の制御は敗血症の病態亢進抑制につながる。最近、研究代表者らは世界に先駆けてヌクレオフォスミン(NPM)を生体危険信号因子(アラーミン)としての可能性、さらには、免疫活性可能を証明してきた。しかしながら、NPMの受容体、さらには、抑制因子が未だ解決されていない。本年度では、さらなる敗血症の病態の解明を進めるために、NPMの受容体の同定を目的とした。最終年度は、マウス由来のマクロファージRAW264.7細胞を用い、受容体とNPMの関係を検討した。NPMはDamage-Associated Molecular Patterns(DAMPs)であるので、Toll-like receptors(TLR)の可能性が強く示唆される。TLRのアンタゴニストを用い、NPM刺激によるTNF-αの産生を抑制出来るかを行った。その結果、統計学的に有意差が得られ、NPMの受容体がTLRであった。以上のように本研究では、1.NPMの結合タンパク質の検出、2.NPMの活性酸素による影響、3.NPMの受容体を検討してきた。そしてNPMの細胞外での働きが若干ではあるが解明された。今後もこれらを更に研究を行っていく予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
Blood Rev.
巻: 30 ページ: IN PRESS
10.1016/j.blre.2015.12.00
Med Hypotheses
巻: 85 ページ: 618-621
10.1016/j.mehy.2015.07.028.
J Am Anim Hosp Assoc
巻: 51 ページ: 369‐400
Journal of Veterinary Medical Science
巻: 77 ページ: 1191‐1193
10.1292/jvms.15-0153.