本研究は、歯の発生における発生スピードに関わる分子を検索することを目的に行った。発生スピードを検索するためには、従来の蕾状期、帽状期、鐘状期を更に細分化した発生ステージの構築が必要となる。そこで、歯胚上皮の3D構築による歯胚の三次元的解析を行い、重要なステージの一つである帽状期における新たな発生ステージの作成に成功した。帽状期は、歯胚のサイズを大きく変えることなく形態変化を起こした後に、歯胚の容積を増やしながら形態を変化させていくことが明らかとなった。各ステージのマーカーとして利用できる各ステージ特異的分子の同定を試み、歯胚のより正確な誘導を促す培養法の確立が重要であることが示唆された。
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