Porphyromonas gingivalisのリポ多糖の糖鎖の解析は複数の研究室ですでにいくつかの菌株で行われている。しかし、私たちが変異株の解析からA-LPSの糖鎖に含まれていると思われるWbp経路の最終産物が検出されてはいない。また、IX型分泌機構で分泌されるCTDタンパク質はA-LPSの糖鎖にコバレントに結合している可能性があることがメルボルン大学のグループの研究で明らかになってきた。すなわち、LPSの糖鎖を純化する過程でWbp経路の最終産物はCTDタンパク質に結合しているためにLPSの糖鎖から脱落してしまっている可能性がでてきた。そこで今回、CTDタンパク質が菌体表面に出てこない変異株であるporK変異株からLPSを精製することを試みた。現在、20リットル培養液から菌を回収し、鹿児島大学にて共同研究者がLPSの精製を行っている。精製後に構成糖の分析を行う予定である。
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