研究課題/領域番号 |
26670808
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
滝川 正春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20112063)
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研究分担者 |
久保田 聡 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90221936)
青山 絵理子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10432650)
西田 崇 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30322233)
服部 高子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00228488)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | PDGFRL / デコイ受容体 / 細胞分化 / 細胞増殖 / CCNファミリー / 軟骨 / 血小板 / CD302 |
研究実績の概要 |
1)ヒト軟骨細胞様細胞株HCS-2/8細胞、乳がん細胞MDA-231、HeLa細胞でPDGFRLのmRNAレベルを比較すると、HCS-2/8細胞で圧倒的に高く、また、免疫染色でもHCS-2/8細胞に多量に観察され、その細胞内局在を調べると、細胞質だけでなく核内にも存在した。また、HCS-2/8細胞にPDGFRL遺伝子を導入して過剰発現させると同細胞の増殖が促進されることは昨年度報告したが、軟骨分化マーカーであるアグリカン、II型コラーゲン、MMP13の発現は低下した。一方、PDGFRL過剰発現細胞のconditioned mediumはCCN2による軟骨培養細胞株の軟骨分化マーカーの発現上昇を抑制し、protein kinase C-zetaの活性化も阻害した。昨年度、PDGFRLとCCN2が結合することを見出しており、これらの結果は、デコイ受容体様分子PDGFRLがCCN2の分子動態を制御することにより、軟骨細胞の増殖・分化に重要な役割を果たしていることを示している。以上の結果は現在論文投稿中である。 2)血小板はPDGFに富むため、PDGFRL結合分子探索を目的に、CCN2以外のCCNタンパク質の血小板における存在を昨年度に引き続き調べたところ、CCN1, CCN3, CC5が存在することを、今回免疫染色法でも確認した。また、その由来は、CCN1とCCN5は巨核球であり、CCN3は血球系細胞、CCN2は巨核球から放出される未知の因子により刺激を受けた間葉系細胞であることが示唆された。これらの結果は、Mod. Rheumatol.に受理され印刷中である。 3)CCN2結合分子として新たにCD302を見出した。この分子はc-typeレクチンレセプターで細胞の接着、遊走、エンドサイトーシスに関与すると言われており、PDGFRLとの協働作用やそのデコイの発見が期待される。
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