研究成果の概要 |
本研究では、新たな生細胞分離法の確立を目指して、目的とする細胞で特異的に発現する遺伝子プロモーター配列を蛍光レポーター系ベクターへ組み込み、遺伝子の転写活性を指標としたGene Promoter Activity Detection (gPAD)システムの作成・検証を行った。具体的には、癌における上皮-間葉転換(EMT)異常の指標である間葉系マーカー ビメンチン(VIM)のプロモーター活性を指標としたgPAD システムを構築後、cell-based reporter systemによる機能的スクリーニングを実施した。VIM/gPADを胃癌細胞株MKN1へ導入後、328種類のmiRNAからスクリーニングを実施し、癌EMT誘導性miRNA-544aを同定した。さらにmiR-544aが上皮系マーカーCDH1とWnt シグナル抑制因子AXIN2を標的とすることでWnt およびTGFβシグナル経路を活性化してEMT を促進することを示した(Yanaka Y et al., 2015, Carcinogenesis)。以上によりgPAD システムを応用した創薬スクリーニングの実施例とその有用性が示された。
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