免疫活性化作用を示すジフテリア菌脂質トレハロース-6,6-ジコリノミコレートに着目し,150種の類縁体を合成して構造活性相関研究を行い,最近,構造の単純化と抗癌作用を増強させた糖脂質Vizantinを創製した.Vizantinの生物活性を検索したところ,固着緑膿菌に対して殺菌作用を有することが示唆された.そこで,Vizantinの細菌性バイオフィルム形成阻害・平滑面への菌体付着に対する効果について,う蝕原因菌であるミュータンス菌,および院内感染症の起因細菌MRSAを用いて検討し,バイオフィルム阻害効果を有する臨床応用可能なVizantin誘導体の作製を図ることにした.
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