研究課題
平成26年度は、主として動物実験を行う。まず初めに血中抗CCP抗体が、唾液中に移行するかについてマウスを用いた実験的検討を行う。この検討において、抗CCP抗体が血中濃度を反映して、唾液中に分泌されることを確認する。次に、血中抗CCP抗体がどのような経路で唾液中に分泌されるか、マウス唾液腺組織を対象に免疫組織化学的染色および電子顕微鏡による局在を観察し移行経路を確定する。これらの検討から抗CCP抗体が唾液中の認められることを確定した後に、関節リウマチの診断に有用なその他のマーカーとして、RF・CRP・MMP-3も血中濃度を反映して唾液中に分泌されるか、関節リウマチモデルマウスD1CCを用いて検討する。上記の研究計画を立案し、モデル動物を用いた実験では抗CPP抗体が唾液中に移行することが明らかとなった。また、血中濃度も依存性であったが、その分泌量は少なく血中の1/10程度であった。そのため、唾液腺組織における抗CCP抗体の局在を免疫組織化学的には明らかになっていなく、今後高感度検出系での検討が必要である。さらに、関節リウマチの診断に有用なその他のマーカーとして、RF・CRP・MMP-3も検討し、ELISAでは、唾液中に検出することができた。しかし、MMP-3はELISA、ウエスタンブロットで十分な結果が得られていない。当初の目的である、唾液中への血中抗CCP抗体の移行が明らかになったことから、ヒトでの臨床試験のための基礎的な検討としては一定の成果が得られた。
2: おおむね順調に進展している
一部予定していた実験の結果が不十分であるが、全体として26年度に目標とした抗CCP抗体の移行をELISAで証明できており、次年度の研究計画に大きく影響することはない。
当初の予想より唾液中への移行量が少なく、免疫組織化学的な検出において十分な結果が得られていない。また、電子顕微鏡検察が行えなかった。今後は高感度検出系を用いて条件検討し、明らかにしていく。
平成26年度に唾液腺組織における抗CCP抗体の局在の証明を行うための実験が不十分であり、特に電子顕微鏡観察ができていないことから、平成27年度に継続して実験を行うために必要である。
唾液腺組織の固定方法の検討、染色条件の検討を行い免疫組織化学的な検出を試みる。また、電子顕微鏡観察を行う。
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