研究実績の概要 |
本年度は、抗リウマチ薬による病態改善と血中および唾液中の抗CCP抗体濃度の検討について、D1CCマウスに抗リウマチ薬を投与すると、病態の改善とともに抗CCP抗体が減少する(Kanazawa S et al. Inflamm Regen.28: 321-324, 2008.)。そこで、唾液中の抗CCP抗体も病態の改善とともに濃度が減少するか検討し、関節リウマチの診断への有用性だけでなく、病態も反映するか実験的に検証したところ、病態の改善に伴い改善傾向が観察されたことから、さらなる詳細な検討を行う予定である。さらに臨床検体を用いた検討として、既に関節リウマチと診断され、治療開始時および治療中の継時的経過を観察できるインフォームドコンセントにより承諾された方を対象として検討した。方法は、関節リウマチ患者より唾液を採取し、唾液中に含まれる抗CCP抗体・RFをELISAで測定し、唾液中の抗CCP抗体・RFの測定量と血中濃度と比較し、その相関を統計学的に解析したが、例数が少なく今後詳細な検討が必要である。しかし、シェーグレン症候群については、SS-A抗体において、唾液と血清での相関が得られており、例数が増えることで充分仮説通りの結果が得られると考えている。
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