研究課題
本研究では幹細胞移植を用いた抗炎症療法を確立する目的に、マイクロミニブタモデルを用いて研究を行った。今回の研究で抗炎症で使用を目的とする細胞として、脂肪組織由来幹細胞、顎骨由来前骨芽細胞様細胞を用いた。脂肪幹細胞は体網から酵素消化法を用いて分離培養し、FACS解析にてCD105およびCD44陽性の細胞を入手することに成功した。細胞分化能力を解析したところ、これらの細胞は脂肪細胞、骨芽細胞への分化能力を有していた。脂肪由来幹細胞に関して、家畜ブタとより生体防御機構の劣るマイクロミニブタと細胞採取プロトコールを比較した結果、後者のほうが細胞増殖因子を含む間葉系細胞専用培地でないと、生体外増幅できないことが判明した。次ぎに歯槽骨由来前骨芽細胞に関しては、下顎骨より歯槽骨を採取し、酵素消化法にて細胞の分離培養を行った。得られた顎骨由来前骨芽細胞様細胞に関して、組換えBmp-2を加えることで骨芽細胞分化能力を有していることを確認した。またその骨原性能力は脂肪幹細胞よりも高いことが判明した。本研究成果より骨原性能力を有する細胞製剤を生体防御機能の低下している患者より採取するためには細胞増殖に特化した培地を使用する必要性があることが示唆された。また自家移植による細胞採取には限界があるため、他家移植によるアプローチも検討する必要性が示唆された。現在はマイクロミニブタを、有病者の前臨床モデルと仮定し、抜髄後に根管内を開放する根尖病巣モデルに着手している。
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Sci Rep
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PLoS One.
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