パーキンソン病(PD)患者30名(平均年齢69.4歳)および健常高齢者20名(平均年齢71.6歳)を対象として、口蓋に貼る舌圧センサシートを用いて嚥下時舌圧測定を行った。PD患者の舌圧最大値は。健常被験者群と比較して有意に低かった。また、嚥下障害のあるPD患者の舌圧最大値は、嚥下障害のないPD患者と比較して、有意に低かった。自覚的嚥下障害の尺度であるSDQ-J Scoreと口蓋正中部の舌圧最大値との間に、負の相関関係が見られた。健常者にはない異常舌圧パターンが、PD群において嚥下障害の有無に関わらず、高頻度で見られた。以上より、PD患者の嚥下障害の早期発見に対する舌圧測定の有用性が示唆された。
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