研究課題/領域番号 |
26670834
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
峯 篤史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60379758)
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研究分担者 |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80174530)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 接着歯学 / セルフエッチングプライマー / 象牙質 / スルフィン酸 / 次亜塩素酸ナトリウム処理 |
研究実績の概要 |
本研究では1ステップセルフエッチングシステムの接着能向上を実現するために,接着処理前の象牙質被着面改質,すなわち「プラスαステップ」の効果を多面的に確認する.象牙質被着面処理(プラスαステップ)として,①プラス2ステップ(NC群):リン酸(Kエッチャント,クラレノリタケメディカル)エッチング処理後水洗乾燥,ADゲル(クラレノリタケメディカル)処理後水洗乾燥,②プラス3ステップ(NC+AC群):プラス2ステップ+スルフィン酸ナトリウム(アクセル,サンメディカル)処理後乾燥を作製した.なお前処理を行わない群を③コントロール群(Cont群)とし,27年度は以下の実験を行った. 【平滑象牙質面に対する接着能評価(長期水中保存群)】 26年度に作製し,保存している試料の6か月後および12か月後の評価(接着試験,TEM・SEM観察)を行った.その結果,Cont群のみ1年後の接着強さの有意な低下が認められ,TEM観察においてCont群は1年後に接着界面におけるスメア層部分の劣化を認めた. 【表面元素分析と重合度評価】 象牙質平滑面試料を作製し,各表面処理後にX線光電子分光法を用いて表面の元素分析し,次亜塩素酸ナトリウム処理後は水洗後も表面にClやNaが存在することを明らかにした.ラマン分光法重合度分析により,芳香族C=Cと脂肪族C=Cのピークの比をとることで重合度を評価した結果,次亜塩素酸ナトリウム処理後は重合が阻害されており,その後にスルフィン酸ナトリウム処理を行うことで,重合度が回復することが確認された. 【根管象牙質に対する接着能評価】 根管象牙質に対する接着能評価を追加した.SEM観察の結果,NC処理群およびNC+AC処理群では象牙細管内にレジンタグが形成されていた.接着試験の結果,NC+AC群は他の2群と比較して有意に高い接着強さを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた実験は全て行い,さらに根管象牙質に対する接着能評価を追加した.今後得られたデータを学会および論文発表するために1年間,本研究課題を延長した.
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今後の研究の推進方策 |
予定していた実験はすべて終了している.今後,7月開催の第125回日本補綴歯科学会学術大会において,学会発表すると共に英語論文を執筆する.英語論文作成には英文校正を必要とするため,そのための費用を計上している.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実験は全て行い,さらに根管象牙質に対する接着能評価を追加した.今後得られたデータを学会および論文発表するために1年間,本研究課題を延長した.
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次年度使用額の使用計画 |
予定していた実験はすべて終了している.今後,7月開催の第125回日本補綴歯科学会学術大会において,学会発表すると共に英語論文を執筆する.英語論文作成には英文校正を必要とするため,そのための費用を計上している.
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