• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

乳酸菌由来因子による歯周およびインプラント周囲炎症コントロール

研究課題

研究課題/領域番号 26670838
研究機関広島大学

研究代表者

二川 浩樹  広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (10228140)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードインプラント周囲炎 / 抗菌ペプチド / プロバイオティクス / 歯肉上皮細胞 / 歯肉線維芽細胞
研究実績の概要

平成27年度までに、Kog1ペプチドがLPS刺激下で歯肉線維芽細胞の炎症性サイトカインおよびケモカインの発現に対して抑制的に働くことが明らかとなったため、平成28年度はその抑制メカニズムについて検討した。
Cathelicidin LL-37やHistatinなどの抗菌ペプチドは、エンドトキシンであるLPSの作用を中和することで、炎症性サイトカインの産生を抑制する。そのメカニズムの一つとして、抗菌ペプチドがLPSと結合することでLPS受容体への運搬を阻害することが言われている。
そこで本研究では、Kog1とLPSの結合能について、SPRを用いて検証した。自己組織化単分子膜を形成した金基板にKog1を曝露し、ペプチドの金基板への固定化を行った。その結果、ペプチドの結合量と対応するSPRシグナルの角度変化量は426 mDAとなり、コントロールであるHistatin 5の247 mDAと同様に、金基板への固定化が確認された。さらに、ペプチドが固定化された金基板にLPSを10分間曝露したところ、Kog1、Histatin 5ともにSPRシグナルの増加が認められた。また、LPS曝露時のSPRシグナルの角度変化量を測定することでLPSの結合量を比較したところ、Histatin 5に比較してKog1で角度変化量が増加、すなわちLPSとの結合量が増加した。
以上の結果より、Kog1はHistatin 5に比較してLPSとの結合性が高いことが示唆され、すなわちKog1はLPSと結合することでLPSの作用を中和し、歯肉線維芽細胞におけるLPSの炎症性サイトカインおよびケモカインの発現誘導を阻害する可能性が明らかとなった。

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi