研究課題/領域番号 |
26670840
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
築山 能大 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10236870)
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研究分担者 |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
桑鶴 利香 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20325567)
郡 英寛 九州大学, 大学病院, 医員 (70589621) [辞退]
木原 優文 九州大学, 大学病院, 助教 (40419536)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯学 / 臨床 / 睡眠時ブラキシズム / スプリント / 治療成績 |
研究実績の概要 |
H26年度中に研究実施準備を行い、被験者の収集を行った。質問票,問診および口腔内診察でブラキサーの臨床診断基準を満たすと判断した者15名を対象に、携帯型筋電図測定装置による睡眠時ブラキシズム活動の測定を行ったところ、10名が適格基準に合致した。これらの被験者を対象に、夜間睡眠時のみスタビライゼーションスプリントを30日間連続で使用させ、baseline、スプリント装着直後、装着後1週および4週に、携帯型筋電図測定装置を用いて咬筋筋活動を測定した。10%MVC(maximum voluntary contraction)を超える筋電図波形からLavigne et al. (1996)のアルゴリズムを用いてepisodeを抽出し、その中から0.25~2.0秒続くburstをgrinding burst、2.0秒以上続くburst をclenching burstとして定義し別々に抽出した。grinding burstとclenching burstそれぞれについて、睡眠1時間あたりの発生頻度,持続時間,振幅および振幅分布を解析した。その結果、grinding burstの頻度はclenching burstと比較して有意に大きく、grinding burstの振幅はclenching burstと比較して有意に小さかった。またgrinding burstとclenching burstの振幅分布は異なっていた。grinding burstの頻度は、baselineと比較して、スプリント装着直後のみに有意な減少が認められたが、その他の持続時間、振幅のパラメーターには有意差はなかった。grinding burstの振幅分布は、baselineと比較してすべてのタイムポイントで違いはなかった。clenching burstの振幅は、baselineと比較して、スプリント装着後のすべてのタイムポイント(装着直後、1週、4週)で有意な減少が認められたが、その他の頻度、持続時間のパラメーターには有意差はなかった。clenching burstの振幅分布は、baselineと比較してすべてのタイムポイントにおいて低い%MVCの方にシフトしていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施の準備、環境整備が順調に進み、ほぼ予定通りの被験者の収集、介入(スタビライゼーションスプリントの装着)、および睡眠時ブラキシズムの測定を行った。また、予備研究で得られた手法を用いてデータ解析を行い、被験者10名ではあるが、良好な結果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
適格条件に合致する被験者の収集に努め、さらに被験者の同意を得るための説明を懇切丁寧に行い、被験者数の増加を図る。引き続き、測定精度の維持および介入方法の均一化に努め、良質なデータの獲得を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
比較的高額な物品(消耗品)購入を3月に予定していたが、3月中旬に海外出張したため、交付された金額内に収まらない可能性があった。そのため、物品購入を次年度送りとした。なお、次年度使用額は13万円弱とほぼ予定通りに使用しているため、研究全体の遂行には問題はない。
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次年度使用額の使用計画 |
当該物品の購入手続きを進めており、平成27年度早期に納品される見込みである。納品後は速やかに追加実験を行い、睡眠時ブラキシズムの測定に応用する。このことによって、より高度なデータ収集およびデータ解析を行うことが可能である。
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