本研究の目的は骨膜を低侵襲に拳上するための材料と方法を検討することである。ポリ乳酸化合物に炭酸アパタイトを含有させた膜(PLGA/apatite)をラットの頭頂骨上に移植した。アパタイト含有率が30%を超えるとシャーレ内での膨張率は低くなったが、移植すると新生骨は骨面側に形成され、骨膜側からは自発的な骨形成は生じないこと、アパタイトを50%含有するPLGA/apatiteはin vitroでは膨張率は少ないが、一旦膨張したのちに、アパタイト顆粒が支柱となって凹むことを抑制するために、膨らみが維持されること、骨膜を安定的に拳上するためには、骨面に沿うような形状の材料が必要であることが示された。
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