本研究では、歯周病の病原菌やそれらが分泌する病原因子を計測できるバイオセンサーを開発することによって、歯周病の病態を短時間で評価できる診断法を確立することを目的とした。 歯周病原菌であるP. gingivalisが分泌する病原因子(Kgp)によって分解・生成されるK6Fペプチドをその抗体を修飾した水晶振動子を用いて計測したところ、10 ng/mlから1,000 ng/mlの範囲で共振周波数変化と濃度の対数との間に直線関係が得られた。一方、電位差測定法ではK6Fペプチドの検出限界は約5 mg/mlであり、水晶振動子マイクロバランス法よりは高かったが、短時間で計測できることが明らかとなった。
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