• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

歯根膜由来細胞の血管新生・造血能力発現機構を応用した革新的歯周組織再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670852
研究機関岩手医科大学

研究代表者

石崎 明  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439)

研究分担者 藤原 尚樹  岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (20190100)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯根膜 / 間葉系幹細胞 / 血管形成
研究実績の概要

我々の研究の最終目標への到達を目指し、歯根膜由来細胞における1)血管形成機能を発現させるため、2)造血機能を発現するためのそれぞれのキー遺伝子を同定し、局所の血管新生と造血とを組み合わせた歯根膜周囲組織の局所循環改善技術の開発を進めている。平成27年度は、前年度からの二次元培養に加えて新たに三次元培養を用いて歯根膜由来細胞による血管形成ならびに造血制御モデル遺伝子のピックアップ作業を実施した。具他的には、昨年度我々が開発した低酸素培養法における歯根膜由来細胞による血管形成および血球系細胞への分化誘導技術を利用して既に発見済みの血管形成・血球細胞分化誘導遺伝子Aに加えてその他の血管形成・血球細胞分化誘導遺伝子のピックアップ作業を多次元的な培養法を用いて実施した。一方、次年度に予定しているマウスを用いた歯根膜由来細胞における血管形成・血球細胞誘導機能発現キー遺伝子の同定実験では、蛍光ラベルされた歯根膜由来細胞の移植系の樹立が必要とされる。我々は昨年度に、緑色蛍光色素を強発現する間葉系幹細胞株の樹立に成功しており、そのin vivo移植後の血管組織形成能力についてリアルタイムに評価するための評価系を得ている。加えて、我々は今年度新たに赤色蛍光色素を強発現する間葉系幹細胞培養系を樹立して報告した。これらの成果は、歯根膜由来細胞を用いた血管形成・血球細胞分化能力のin vivoでの評価の際、そのポジティブコントロール実験に用いる細胞として緑色蛍光あるいは赤色蛍光を発現する両方の幹細胞が利用可能になったことを意味する。この研究成果により、将来的に作製される血管形成・血球細胞分化誘導遺伝子が強発現された歯根膜由来細胞の蛍光ラベルが赤色あるいは緑色いずれであっても、それに対応するポジティブコントロール細胞が得られているので、次年度におけるin vivo実験が容易になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は、昨年度から引き続き歯根膜由来細胞における血管形成機能を発現させるためと造血機能を発現するためのそれぞれのキー遺伝子のピックアップ作業を継続している。加えて、in vivoでのキー遺伝子の同定実験を容易にするためのモデル実験系の開発、すなわち昨年度までの緑色蛍光強発現間葉系幹細胞株に加えて赤色蛍光強発現間葉系幹細胞株の樹立に成功した。その結果、次年度(最終年度)に予定している歯根膜由来細胞における血管形成・血球細胞誘導機能発現キー遺伝子の同定実験が容易に行えるような準備ができた。

今後の研究の推進方策

最終年度(平成28年度)においては、現在継続中の歯根膜由来細胞における1)血管形成機能を発現させるため2)造血機能を発現するためのそれぞれのキー遺伝子のピックアップ作業を終了させ、且つピックアップされた候補遺伝子の絞り込みを行うとともに、歯根膜由来細胞における血管形成・血球細胞誘導機能発現キー遺伝子の同定作業を進める。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Establishment of mesenchymal stem cell lines derived from the bone marrow of GFP-transgenic mice exhibiting diversity in intracellular TGF-β and BMP signaling.2016

    • 著者名/発表者名
      Sawada, S., Chosa, N., Takizawa, N., Yokota, J., Igarashi, Y., Tomoda, K., Kondo, H., Yaegashi, T., and Ishisaki, A.
    • 雑誌名

      Mol. Med. Rep.

      巻: 13 ページ: 2023-2031

    • DOI

      10.3892/mmr.2016.4794

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Establishment of immortalized mesenchymal stem cells derived from the submandibular glands of tdTomato transgenic mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Furukawa, S., Kuwajima, Y., Chosa, N., Satoh, K., Ohtsuka, M., Miura, H., Kimura, M., Inoko, H., Ishisaki, A., Fujimura, A., and Miura, H.
    • 雑誌名

      Exp. Ther. Med.

      巻: 10 ページ: 1380-1386

    • DOI

      10.3892/etm.2015.2700

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 歯肉線維芽細胞との細胞間相互作用は間葉系幹細胞の抗炎症作用を増強する2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木啓太、滝沢尚樹、帖佐直幸、客本斉子、加茂政晴、八重柏隆、石崎明
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 顎関節組織由来細胞におけるTGF-beta誘導性抗炎症性作用発現の調節機構を明らかにする研究2015

    • 著者名/発表者名
      横田聖司、帖佐直幸、衣斐美歩、菊池(青松)恵美子、木村仁迪、客本斉子、加茂政晴、三浦廣行、佐藤和朗、石崎明
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 成長因子が歯周靭帯由来血管内皮細胞株(EPC)の分化に与える影響について2015

    • 著者名/発表者名
      木村仁迪、帖佐直幸、客本斉子、大久保直登、加茂政晴、佐藤和朗、石崎明
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [学会発表] 間葉系幹細胞由来ペプチドSCRG1はRANKL誘導性破骨細胞分化を抑制する2015

    • 著者名/発表者名
      菊池(青松)恵美子、帖佐直幸、横田聖司、佐藤和朗、石崎明
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi