研究課題/領域番号 |
26670854
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北川 善政 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (00224957)
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研究分担者 |
大賀 則孝 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40548202)
佐藤 淳 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (60319069)
浅香 卓哉 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (80637265)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フローサイトメトリー / 口腔内科 / 唾液 / 細胞 |
研究実績の概要 |
唾液は非侵襲的かつ簡便に繰り返し採取が行えるというメリットがある。近年唾液中の物質を口腔粘膜疾患の診断、経時的な病態の把握に用いようとする試みが始まっている。しかし唾液中の免疫細胞の構成割合を解析し、病因解明、診断や治療に活かしている報告は少ない。 本年度はフローサイトメトリーを用いて健常者の唾液中の細胞分画からCD3、CD4、CD45陽性細胞が検出・解析可能かを解析した。被験者は歯周ポケットが3mm以下で、口腔粘膜疾患を有していない健常者5名として、各血液と安静時唾液(唾液約3ml)を回収した。サンプルをCD3、CD4、CD45抗体で単染色と2重染色し、フローサイトメトリー(BD社製、Aria-2)で陽性細胞を解析した。実験では以下に用いた抗体で染色した。FITC Mouse Anti-human CD3、 APC Mouse Anti-human CD4、 PE Mouse Anti-human CD45。Isotope controlとして、FITC Mouse IgG 2a、 PE Mouse IgG1、 APC Mouse IgG1を用いた。 フローサイトメトリー解析にあたり、血液サンプルをコントロールとしてリンパ球、マクロファージ、顆粒球の分画をgate outし、その分画から唾液中のCD3、CD4、CD45陽性細胞の割合を解析した。 唾液サンプルでは、今回設定したFSC-SSC分画のgateにおいて、0.7~3.6%のCD45陽性細胞が検出された。そのうち、2重染色により唾液中のCD45(+)CD3(+)、CD45(+)CD4(+)が検出可能であることがわかった。また、検出されたCD45陽性細胞は血液分画中ではリンパ球分画に多く存在していた。 今年度の結果から小量の唾液サンプルからCD3、CD4、CD45陽性の免疫細胞が検出・解析可能であることが示唆された。今後は唾液中の免疫細胞の構成割合の変化などが口腔カンジダ症や口腔扁平苔癬といった難治性口腔粘膜疾患の病態解明につながるかについて検討したい。
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