研究課題/領域番号 |
26670856
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 士朗 東北大学, 大学病院, 講師 (80230069)
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研究分担者 |
岡島 淳之介 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (70610161)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / リンパ節転移 / 転移モデル / 金ナノロッド / 近赤外線レーザー |
研究実績の概要 |
現在、口腔癌の治療成績の向上のため様々な方面から研究がなされている。しかし、結局のところ、患者の全身状態が治療に耐えられるか、あるいは、原発巣の制御がなされた状態で、頸部リンパ節郭清術で転移が制御できるかどうかということが患者の生死を規定している。従って、今後急速に患者数が増大していく高齢者の口腔癌患者の治療成績の向上にはリンパ節転移に対する新たな低侵襲治療法の開発が望まれる。本研究の目的は、金ナノ粒子と近赤外線レーザー光を用いた表面プラズモン共鳴加熱による熱療法の口腔癌転移リンパの治療への応用の可能性を、我々が樹立したヒトと同等の大きさのリンパ節を持つリンパ節転移モデル動物を用いて検証し、転移リンパ節への新たな低侵襲治療法の開発を目指すことである。これまで、金ナノロッド(GNR)を病理切片上で蛍光顕微鏡下で可視化するために、GNRに量子ドット(quantum dot)を結合させた金ナノロッド(GNR-Q)を作製し、我々が樹立したヒトと同等の大きさまでリンパ節が腫脹するリンパ節転移モデルマウス、MXH10/Mo/lprマウスの転移リンパ節にGNR-Qを局所注射したマウスと、尾静脈に注射し全身投与したマウスの転移リンパ節に近赤外レーザー光を照射し、抗腫瘍効果と副作用に関して検討した。その結果、金ナノロッドの転移リンパ節への局所投与、全身投与のいずれにおいても抗腫瘍効果が確認できたが、双方において、近赤外レーザー光の照射による皮膚の熱傷という問題、全身投与においては、金ナノロッドの肝臓、脾臓、腎臓への滞留という問題が明らかとなり、抗腫瘍効果の向上とともに副作用への対策が臨床応用に向けての大きな課題であることが明らかとなった。今後、これらの問題に対して様々な観点から対応していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
金ナノロッド(GNR)を病理切片上で蛍光顕微鏡下で可視化するために、GNRに量子ドット(quantum dot)を結合させた金ナノロッド(GNR-Q)を作製し、我々が樹立したヒトと同等の大きさまでリンパ節が腫脹するリンパ節転移モデルマウス、MXH10/Mo/lprマウスの転移リンパ節にGNR-Qを局所注射したマウスと、尾静脈に注射し全身投与したマウスの転移リンパ節に近赤外レーザー光を照射し、抗腫瘍効果と副作用に関して検討した。その結果、金ナノロッドの転移リンパ節への局所投与、全身投与のいずれにおいても抗腫瘍効果が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、金ナノロッド(GNR)を病理切片上で蛍光顕微鏡下で可視化するために、GNRに量子ドット(quantum dot)を結合させた金ナノロッド(GNR-Q)を作製し、我々が樹立したヒトと同等の大きさまでリンパ節が腫脹するリンパ節転移モデルマウス、MXH10/Mo/lprマウスの転移リンパ節にGNR-Qを局所注射したマウスと、尾静脈に注射し全身投与したマウスの転移リンパ節に近赤外レーザー光を照射し、抗腫瘍効果と副作用に関して検討した。その結果、金ナノロッドの転移リンパ節への局所投与、全身投与のいずれにおいても抗腫瘍効果が確認できたが、双方において、近赤外レーザー光の照射による皮膚の熱傷という問題、全身投与においては、金ナノロッドの肝臓、脾臓、腎臓への滞留という問題が明らかとなり、抗腫瘍効果の向上とともに副作用への対策が臨床応用に向けての大きな課題であることが明らかとなった。今後、これらの問題に対して様々な観点から対応していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を効率的に実施した結果、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度請求額と合わせ,平成27年度の研究遂行に使用する予定である。
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