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2014 年度 実施状況報告書

KIF遺伝子群のタキサン系抗癌剤耐性に果たす役割の解明と耐性克服治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670857
研究機関千葉大学

研究代表者

丹沢 秀樹  千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50236775)

研究分担者 笠松 厚志  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375730)
肥後 盛洋  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60724383)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードkinesin family(KIF) / タキサン系抗癌剤
研究実績の概要

本研究では、マイクロアレイにより癌で特異的に発現増強を示していることを確認できた微小管作動性遺伝子であるkinesin family(KIF)遺伝子群にフォーカスをあて、タキサン系抗癌剤に対する作用を明らかにする。さらに、KIF 遺伝子群、あるいは遺伝子パスウエイ上でKIF遺伝子群の上流遺伝子に対する阻害剤や発現増強剤を検索・同定し、タキサン系抗癌剤に対する耐性克服治療薬の可能性を検討する。KIF遺伝子群の発現状態を調べたところ、KIF4Aは口腔癌由来細胞株全てにおいて、正常扁平上皮細胞と比較し有意な発現亢進を認めた。KIF4Aの臨床検体における発現の確認を行ったところ臨床検体30例中19例で発現亢進を認めた。real time PCR 法の結果よりKIF4Aの発現が増加している癌由来細胞株(HSC-3、Ca9-22)と減弱している癌由来細胞株(Ho-1-u-1,Ho-1-N-1, SAS)を選出した。選出した細胞株を用いてMTS assayを行い、タキサン系抗癌剤に対するIC50を求め、耐性度を算出した。shKIF4A細胞株(HSC-3sh、Ca9-22sh)を作成、遺伝子発現抑制を確認した。これらのshKIF4A細胞株を用いて、タキサン系抗癌剤に対するIC50を求め、耐性度を算出した。親株とshKIF4A細胞株におけるIC50を比較したところ、shKIF4A細胞株のタキサン系抗癌剤に対する感受性の低下を認めた。KIF 遺伝子が微小管を介して染色体の分離、紡錘体の配置、細胞質分裂に関与する遺伝子であるので、これらに関係した遺伝子群(BUB1, MAD2, CDC20,cyclin B1)の発現状態を確認したところ、Mockと比較してshKIF4A細胞株のBUB1、 MAD2、cyclin B1の発現増強およびCDC20の発現低下を認めた。shKIF4Aをヌードマウスに移植し、増殖能を調べたところ、Mockに比べ、shKIF4A導入細胞株では腫瘍径が有意に減少し、増殖能の減弱が明らかになった(P<0.05)。現在、in vivoで、KIF遺伝子がタキサン系抗癌剤耐性に関わること確認中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りの研究成果をあげでおり、16 のサブファミリーを有するKIF一大遺伝子群の中から口腔癌において影響が考えられるKIF4A を特定した。KIF4Aの形質転換細胞を作成し、in vitroでKIF 遺伝子がタキサン系抗癌剤の耐性メカニズムに関与することを同定した。さらにin vivoで、KIF遺伝子がタキサン系抗癌剤耐性に関わること確認している。

今後の研究の推進方策

今後は、タキサン系抗癌剤作用メカニズムに対するKIF 遺伝子群の作用を明らかにする。KIF 遺伝子、あるいはKIF 遺伝子の上流遺伝子に対する阻害剤や発現増強剤を検索・同定し、タキサン系抗癌剤に対する耐性克服治療薬の可能性を検討する。

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公開日: 2016-05-27  

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