本研究では、口腔扁平上皮癌における liquid biopsy の可能性を検証することを目的とした。早期および進行口腔扁平上皮癌患者の原発腫瘍組織、血漿、白血球よりそれぞれ DNA を抽出し、次世代シーケンサーを用いて 50 種類の癌関連遺伝子の変異解析を行った。その結果、早期および進行口腔扁平上皮癌患者いずれの原発腫瘍組織からも TP53 や PIK3CA に腫瘍特異的変異が検出された。しかしながら、血漿遊離 DNA から同一の腫瘍遺伝子変異が検出されたのは進行癌患者のみであった。よって、進行口腔扁平上皮癌に対して liquid biopsy が有用となる可能性が示唆された。
|