近年の抗真菌薬の常習的使用は、治療抵抗性を示す耐性真菌の出現を引き起こすとされている。そこでわれわれは、偽膜性口腔カンジダ症(POC)患者27例と健常者66例を対象に、次世代シーケンサー(NGS)を用いて口腔内真菌叢の網羅的解析を行った。その結果、加齢により総真菌量、検出真菌種数およびCandida属以外の真菌の構成比が増加するものの、POC患者では一人あたりの検出菌種数およびCandida属以外の真菌の構成比は、治療により増加していた。以上より、加齢や真菌の多様性は口腔カンジダ症の発症に関与することが考えられ、NGSは口腔カンジダ症のモニタリングに有用であることが示唆された。
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