IgG4関連疾患の確定診断のためには病理診断が重要であるが、深部組織では施行が困難であり、診断に苦慮することも少なくない。そこで本研究では、採取がより容易で侵襲が少ない口唇腺生検の有用性について検討を行った。IgG4-RDを疑った64例で口唇腺生検を施行したところ、感度・特異度・正確度はそれぞれ、55.6%、100.0%、68.8%であった。さらに、大唾液腺に病変を認めない患者で口唇腺生検で陽性になった血清IgG4値が有意に高く、罹患臓器数も有意に多かった。以上より、血清IgG4値や罹患臓器数などの他の臨床所見を組み合わせることで、口唇腺生検は診断に有用と考えられる。
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