口腔は身体の他の部位に比べ、多様な化学・機械・温度刺激に曝されている。ゆえに粘膜が損なわれ傷ができることも少なくないが口腔粘膜は再生能力が高く速やかに治癒し、瘢痕も生じにくいことが知られている。私たちは、口腔内の温度が皮膚表面よりも高いことに着目し、温かい温度で活性化されるイオ ンチャネルであるTRPV3 (transient receptor potential vanilloid channel)に着目した。マウス臼歯を抜歯する創傷モデルで治癒期間の比較したところ、TRPV3遺伝子欠失マウスでは野生型マウスよりも創部の治癒が遅延していたことからTRPV3が創傷治癒に関わる事を見出した。
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