癌幹細胞における再発に関わる初期シグナルをエピゲノム解析するため、研究に同意を得た口腔がん患者から生検あるいは手術時に採取した未治療の癌組織を免疫不全NOG (NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtmlSug/Jic) マウスに移植し、形成された2次癌を実験に用いた。一定の大きさに増殖した2次癌を予め放射線を照射した部位に移植し増殖をみる放射線再発モデルを用いて時系列で採取し再発に関わるがん細胞からのシグナルに関してHIF-1に関わるヒトのエピゲノム解析を行ったが、マウス遺伝子の混入が多く候補遺伝子の選定が困難であった。その原因としてヒトとマウスのDNA配列の相同性が高くヒトのHIF-1抗体を用いて免疫沈降を行うとヒトだけでなくマウスのHIF-1関連遺伝子の混入が認められた。数種類の抗体にて試行したがいずれも劇的な改善は認めなかった。そのため、前年度に得られたDNAマイクロアレイを用いて得られたヒト遺伝子の解析結果について詳細解析を行った。その結果放射線照射有無においてHIF-1活性に差の見られた時期に採取した癌組織における遺伝子発現変化において、有意な差のあったものについて実際に淡白レベルで差が見られるかどうかを確認した。
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