研究課題/領域番号 |
26670876
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
大津 敬 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), がん治療学部, 主任研究員 (10270696)
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研究分担者 |
野口 映 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), がん生物学部, 特別研究員 (10456395)
笠島 理加 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), がん生物学部, 特別研究員 (20630875)
野口 誠 富山大学, 医学系研究科, 教授 (50208328)
高野 康雄 東京工科大学, 医療保険学部, 教授 (60142022)
片山 佳代子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), がん予防・情報学部, 主任研究員 (70584374)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / SIRT1 |
研究実績の概要 |
SIRT1 は癌抑制遺伝子と癌遺伝子の両者の側面を持つ遺伝子であるが、われわれは口腔扁平上皮 癌症例を用いた研究で SIRT1 の細胞内局在の違いが予後と強く相関することを見出し、癌細胞の 核内に局在する SIRT1 は癌抑制遺伝子の役割を、細胞質に局在する SIRT1 は癌遺伝子の役 割を果たしていると推定した。 本研究では、1) SIRT1 の相反する二面性を in vitro で解明し、2)SIRT1 が予後予測因子であることを証明し、3)SIRT1 および関連遺伝子群から得られた有効なバイオマーカー含む予後予測因子による予後予測法の確立を目指す。 これまでに、口腔扁平上皮癌由来である5種類の株化細胞から核分画および細胞質分画を分離し、SDS-PAGE、ウェスタンブロット後に抗 SIRT1 抗体でSIRT1 を検出し、その細胞内局在を調べた。その結果、細胞質画分への局在が強い株(3株)、膜画分への局在が強い株(1株)、核画分にもSIRT1が見られる株(1株)が確認できたことで、SIRT1の細胞内局在が異なる株化細胞が得られた。 現在、細胞質に局在する SIRT1 をノックダウンするための siRNA および、細胞質移行を阻害するように NES に変異を導入した SIRT1 遺伝子の準備中である。 また、SIRT1および関連遺伝子群の発現を免疫組織化学的に確認するための、予後調査が正確な口腔の扁平上皮癌症例 400 例の TMA (tissue micro-array)が作製済である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状では、当初計画に比べて研究の進行はやや遅れている。これは、口腔扁平上皮癌由来の株化細胞におけるSIRT1の細胞内局在の確認に時間がかかったためである。株化細胞から核分画、膜画分、細胞質分画を再現性良く得るためには、細かい条件検討が必要であり、そのために多くの時間を費やした。現在は、分画条件が確定し、十分な再現性が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画より進行がやや遅れているものの、実験の効率化により計画通りの研究遂行が可能と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が当初計画より、やや遅かったために物品の購入が少なく、学会発表等も無かったため、支出が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は研究が加速するので、研究計画に沿って昨年度からの繰越金も含めて支出する予定である。
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