研究課題/領域番号 |
26670883
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
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研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 医療ミニブタ先端医療開発研究センター, 教授 (30287099)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
松山 清 久留米工業高等専門学校, 生物応用化学科, 准教授 (40299540)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 再生歯学 / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
マウス由来のfeeder 細胞は目的の細胞に栄養を供給する、細胞が増殖するための足場を提供するなど有益な効果を示す。特に、iPS 細胞では、その樹立時feeder 細胞を必要とする。また、feeder細胞は乳歯歯髄由来の初代培養細胞の増殖を促進させ、初代培養時混在した口腔内細菌を浄化する。iPS 細胞の臨床応用を考えた場合、マウス由来feeder 細胞の混入のないxeno-free な環境下でのiPS細胞の樹立、その分化誘導は非常に重要である。本研究では、ヒト乳歯歯髄由来の初代培養細胞をfeeder 細胞とし、これに成長因子、細胞間接着分子、蛍光タンパクをコードする遺伝子を導入することにより、新たな機能を付加された組換えfeeder 細胞を開発し、ヒトiPS 細胞樹立やその分化誘導に有効であることを示す。 iPS 細胞樹立時に補助的な役割を演じるfeeder細胞であるが、当該年度では、高機能付加feeder 細胞作製を行った。即ち、薬剤耐性遺伝子、蛍光遺伝子、成長因子、細胞間接着因子などを盛り込んだプラスミドベクターを構築を行った。また、乳歯歯髄初代培養細胞へのプラスミドベクターの導入効率を検討した。つまり、Neon microporator(Invitrogen)を用い電気穿孔をかけ、歯髄細胞内にプラスミドベクターを導入する際の、電気穿孔の設定条件を詳細に検討した。結果としては、電圧1550v、電流10ms、回数 1pulsが最も導入効率が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則り、プラスミドベクターの構築と初代培養細胞株への遺伝子導入効率の検討を行った。本結果を基に、次年度以降の計画に沿って、iPS細胞樹立用高機能付加feeder細胞の作製と高機能付加feeder細胞を用いたiPS細胞樹立実験を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ベクターを乳歯歯髄細胞に遺伝子導入し、高機能付加ヒトfeeder 細胞を作製し、ヒト乳歯歯髄細胞からiPS 細胞が効率よく樹立されるかを検討する。iPS細胞樹立には、臨床応用の観点からエピゾーマルベクターを用いる。hOCT3/4, hSOX2, hKLF4,hGLIS1発現プラスミド(Addgene社)を既報2)に従い乳歯歯髄由来細胞にNeonを用いた電気穿孔法にて遺伝子導入する。遺伝子導入後、4~5日目に細胞を剥がし、これをmitomycin C処理で増殖を止めたiPS細胞樹立用高機能付加feeder細胞と通常の乳歯歯髄由来細胞(EGFP蛍光のみ発現;対照)に播種する。2~3週間後にiPS細胞コロニー形成率を調べる。その同定には、Oct-3/4抗体を用いた免疫細胞染色を用いる。
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