研究課題
平成27年度では、前年度で求められたバイオミネラリゼーションのための至適条件を使用し、エナメル質表面における結晶生成の検証を行った。酸処理により粗造化させたエナメル質表面における結晶誘導前後の表面粗さをAFM画像から計測した。その結果、結晶誘導後に有意な表面粗さの減少が認められ、粗造化した表面が修復された可能性が高いと考えられた。さらに、牡蠣殻より生成したナノサイズの粒子でエナメル質表面を処理したところ、エナメル質表面に付着させた人工プラークが高い効率で除去され、歯面清掃効果が示された。しかし、エナメル質表面の傷埋め効果やバイオミネラリゼーション効果については安定した成果が得られなかった。その理由として、牡蠣殻ナノパウダーを一定量、一定時間エナメル質に維持させることが困難であることが明らかとなった。今後の課題として、ナノパウダーを確実に歯面に維持させる方法と、バイオミネラリゼーションのための更なる条件検討が必要と考えられた。
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