歯は上皮-間葉相互作用によって形成される器官であり、その発生において神経堤由来間葉細胞が重要な役割を果たしていることが知られている。今回の研究で、歯原性間葉細胞に特異的に発現する2つの遺伝子を同定した。これらの遺伝子は歯の発生初期である胎生13日齢 (E13)からE16に強く発現し、歯の発生が進むにつれて発現量が減弱することが判明した。さらに、これらの遺伝子を歯原性間葉細胞株に遺伝子導入しE14歯胚の上皮細胞と相互作用させたところ、上皮の間葉細胞への陥入が認められた。以上の結果から、これらの遺伝子は歯の形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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