変えるアメロブラスチン遺伝子の発現をIn situ ハイブリダイゼーション法で探索した。カエル上顎骨よりRNA を抽出し、カエルAMBN 遺伝子配列をもとにRT-PCR 用のプライマーを作製し、RT-PCR による遺伝子断片を増幅した。増幅した遺伝子断片をプラスミドベクターにクローニングし、プラスミドの大量精製後、制限酵素で切断し鋳型DNA を作り、この鋳型を使ってin vitro 転写を行い、RNA プローブを調製した。Proteinase K による前処理後、通法に従ってハイブリダイゼーションを行い、非特異的結合除去した後、プローブの可視化した。また、カエルアメロブラスチン抗体を用いて、カエルの歯の各形成段階におけるアメロブラスチンタンパク質の発現の変遷を調べた。実験動物を麻酔下にて屠殺し、歯の存在する上顎骨を摘出し、固定した。通法に従い、摘出した上顎骨を脱灰し、包埋後に薄切標本を作製し、免疫組織化学染色を行った。免疫染色はstreptavidin-biotin complex(SABC)法によって行った。切片通法に従い処理した後、抗カエルアメロブラスチン抗体(一次抗体)と反応させた後、二次抗体であるビオチン標識ブタ抗ウサギIgG 抗体反応させ、ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジンービオチン複合体反応させて免疫染色を行った。その結果、カエルにおいてもアメロブラスチン遺伝子はエナメル芽細胞に特異的に発現していることが確認された。また、哺乳類や爬虫類の歯ではアメロブラスチンはN端とC端の2種のペプチドに分割され,その分布が異なっていることが示されているが、カエルにおいてもN端ペプチドの分布とC端ペプチドの分布は異なっていた。アメロブラスチンタンパク質は両生類においてもクリベージされ、2種のペプチドに分割された後に別々の異なった機能を果たしていることが示唆された。
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