研究課題/領域番号 |
26670894
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
林 丈一朗 明海大学, 歯学部, 准教授 (50337507)
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研究分担者 |
友村 明人 明海大学, 歯学部, 教授 (60188810)
申 基てつ 明海大学, 歯学部, 教授 (40187555)
辰巳 順一 明海大学, 歯学部, 准教授 (60227105)
谷田部 一大 明海大学, 歯学部, 講師 (00526551)
大西 英知 明海大学, 歯学部, 助教 (30580279) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 顎骨 / 不織布フィルター / 再生療法 |
研究実績の概要 |
本研究は、新たに開発された間葉系幹細胞に親和性が高い不織布フィルターを利用したデバイスを用いて、顎骨/歯槽堤から採取された少量の骨髄液から、遠心分離機を用いない閉鎖系で、間葉系幹細胞を分離・培養する方法を確立することを目的として計画した。 平成27年度においては、平成26年度から引き続き、インプラント埋入手術時に顎骨の骨髄液を採取し、間葉系幹細胞分離デバイスを用いて間葉系幹細胞の分離を試みた。顎骨の骨髄液は、①骨面に起始点を形成した後に、骨髄穿刺針を装着したシリンジを用いて採取する方法と、②埋入窩を形成した後に18Gの注射針を装着したシリンジを用いて採取する方法により行った。間葉系幹細胞分離においては、まず、滅菌生理食塩液を通液してカラムのプライミングをした後、検体をデバイスに通液した。次に滅菌生理食塩液を骨髄液と同じ方向に通液し、フィルターに付着していない赤血球等を洗い流した後、逆方向から細胞培養培地を注入することにより、フィルターに付着した細胞を回収用バッグに回収した。デバイスに回収した細胞は、シャーレに播種し、1~2日おきに培地を交換した。培養14日後にコロニー数をカウントした。 シャーレに形成されたコロニーを顕微鏡下にて観察したところ、間葉系幹細胞の特徴である線維芽細胞様形態を呈していた。コロニーを形成した一部の細胞において、フローサイトメトリー法により間葉系幹細胞のポジティブマーカーとしてCD73、CD90、およびCD105 を、ネガティブマーカーとしてCD14、CD19、CD34、CD45、HLA-DR を発現していることを確認した。フローサイトメトリー法は、細胞を室温で30分間各表面抗原に対するモノクローナル抗体と反応させた後、FACS Calibur(Becton, Dickinson and Company)を用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に検体を収集することができ、また、フローサイトメトリー法により間葉系幹細胞のポジティブマーカーとネガティブマーカーを発現していることを確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載した研究に従って研究を推進していく予定である。研究計画の変更はない。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度はほぼ予定額の助成金を執行したが、前年度からの繰越金があったため、次年度使用額が生じた。物品費については、細胞の表面抗原解析をまだ一部の細胞にしか行っていないため、支出は少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費については、26~27年度に収集した検体について、表面抗原解析を行う際の使薬等の購入に使用する予定である。旅費については、平成28年度は、インドで開催される第10回World Congress for Oral Implantologyにて研究発表を行う予定である。また、国内で行われる複数の学会にも参加する予定である。その他の経費については、英語論文の校正、投稿、別刷代等に使用する予定である。 以上より、今年度は、昨年度分の次年度使用額と本年度分を合わせた助成金を使用する予定である。
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