本研究の目的は,間葉系幹細胞に親和性が高い不織布フィルターを組み込んだ閉鎖系デバイスが,顎骨からの骨髄間葉系幹細胞の分離において,有用であるか否かを評価することである.44検体の顎骨骨髄液を,インプラント埋入手術時に患者35人から採取した.回収した細胞は,細胞培養用シャーレに播種した.また,コントロールとして,本デバイスを用いず,遠心分離して上清を除き,細胞を直接シャーレに播種した.その結果,本デバイスを用いたところ,30検体中10検体(33.3%)からコロニー形成が認められた.一方,コントロールでコロニー形成が確認されたのは,14検体中3検体(21.4%)であった.
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