多くの疫学研究は歯周病と動脈硬化症に正の相関を示している。本研究から、アテローム性動脈硬化の責任遺伝子であるレクチン様酸化LDL受容体-1 (LOX-1)が前破骨細胞の細胞融合抑制し破骨細胞分化を負に調節することが明らかとなった。In vivo歯周病動物実験モデルの確立を試みたが、現時点では確立できなかった。そこで代わりに、マウス頭蓋骨にLPSを注射して誘導する炎症性骨破壊モデルを用いた。その結果、LOX-1欠損マウスでは、破骨細胞分化のトリガー分子であるRANKL発現の低下と並行して、炎症性骨吸収が減少した。このように、LOX-1を標的にすることで歯周病に対する新しい治療法の道が開けた。
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