研究課題/領域番号 |
26670904
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森田 学 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40157904)
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研究分担者 |
丸山 貴之 岡山大学, 大学病院, 助教 (30580253)
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80335629)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵臓がん / 歯周病 / 生命予後 |
研究実績の概要 |
膵臓がん、胆管がんは「予後不良ながん」として知られており、生存率は他臓器のがんと比較して短い。一方、消化器がん・呼吸器がんと口腔内状態との関連が、疫学的観察研究から指摘されている。そこで本研究では、口腔内状態と膵臓がんの生存率との関連について検討した。 岡山大学病院消化器内科にて膵臓がん・胆管がんと診断された患者22名を対象に、がん治療開始前の口腔内状態を診査した。具体的な診査内容はう蝕の有無(DMF歯数、歯周ポケット深さ(PPD)、クリニカルアタッチメントレベル(CAL)、プロービング時出血の有無(BOP%)、動揺度、口腔清掃状態(O’LearyのPlaque Control Record)、歯周病重症度である。また、診療録をもとに、進行ステージ、BMI、血清中生化学的指標(CRP、HbA1c、アルブミン値、carcinoembryonic antigen (CEA)、carbohydrate antigen 19-9 (CA19-9))を記録した。統計処理でが、生命予後が1年未満の者(11名)と1年以上の者(11名)に分けて、変数を比較した。また、カプランマイヤー法、Cox比例ハザードモデルを用いて、生命予後に関連する因子を求めた。 その結果、2群間でCRP、CEA、CAL、歯周病重症度に有意な差が認められた。カプランマイヤー法での分析では、BMI,CRP,歯周病重症度が1年後の生存率と関連していた。Cox比例ハザードモデルでは、CA19-9およびCRPが予後と有意に関連する因子であった。また、CRPは歯周病重症度と関連していた。 以上のことから、歯周病が「炎症状態」を通じて、間接的に膵臓がん・胆管がんに影響している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(理由)がん患者の登録数が予想した数よりも少なかった。10歯以下の者は除外規定にいれたが、実際のがん患者には高齢者が多く、研究対象とはなりえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
再度 消化器内科と連携を強化して患者数の増加を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた消耗品が見込み金額より安価に購入できたため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の研究に必要な消耗品の購入を計画している。
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