研究課題/領域番号 |
26670904
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)
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研究分担者 |
丸山 貴之 岡山大学, 大学病院, 助教 (30580253)
江國 大輔 岡山大学, 大学病院, 講師 (70346443)
友藤 孝明 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80335629)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 膵臓がん / 歯周病 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
膵胆管がん患者では健常者と比較して、いくつかのマイクロRNA(mRNA)の血清中レベルが高値であると報告されている。代表的mRNAはmiR-1246、 miR-3976、 miR-4306、miR-4644である。今年度は、血清の代わりに唾液を用いて、膵胆管がん患者において、これらのRNAが特徴的に現れているか検討した。 年齢、性別に差の無い膵胆管がん患者12名と健常者13名から、非刺激唾液を採取した。唾液中エキソソームを分離し、そこに含まれるRNA を抽出した後に、RT-qPCR法を用いてmRNAを定量した。その結果、miR-1246 と miR-4644の発現が、膵胆管がん患者に有意に高く認められた。ROC曲線を用いて、特定された唾液中mRNAが、膵胆管がん患者と健常者をふるい分けできる能力があるかについて調べた。miR-1246が高く発現する場合、ROC曲線から得られたAUC(Area Under the curve)は0.814であった。一方、miR-4644の場合のAUCは0.763であった。さらに、miR-1246とmiR-4644を同時に高く発現している場合、AUCは0.833となった。また、膵胆管がん患者群では、C反応性蛋白(CRP)とがんのステージとの間に有意な正の相関(r=0.582)、アルブミンとHbA1cとの間に有意な正の相関(r=0.582)、アルブミンとCRPの間に有意な負の相関(r=-0.711)が認められた。さらに、既知の代表的な膵胆管がんマーカーであるCA19-9レベルとmiR-1246発現量との間に、有意な正の相関(r=0.818)も確認された。 以上のことから、人数が少なく、パイロット的な研究の域ではあるが、唾液中エクソソームに含まれるmiR-1246とmiR-4644は、膵胆管がんのバイオマーカである可能性が示唆された。
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