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2014 年度 実施状況報告書

嚥下機能に影響をおよぼす顎顔面骨格・舌骨・咽頭腔の構造的要因を探る

研究課題

研究課題/領域番号 26670909
研究機関福岡医療短期大学

研究代表者

升井 一朗  福岡医療短期大学, その他部局等, 教授 (50131884)

研究分担者 堀尾 恵一  九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (70363413)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード嚥下機能 / 顎顔面骨格 / 側面頭部エックス線規格写真 / 高齢者 / 自己組織化マップ
研究実績の概要

高齢者の口腔機能を維持・向上させることは窒息や誤嚥性肺炎を予防し、サクセスフル・エイジングに貢献できる。加齢に伴う筋力低下(サルコペニア)は、嚥下に関わる舌骨上・下筋群、咽頭筋群、表情筋群や咀嚼筋群にも起こる。嚥下過程の咽頭期は、舌骨上筋群が舌骨を前上方に牽引することによって喉頭が挙上し喉頭蓋が気管口を閉鎖する期で、嚥下と呼吸が切り替わる協調運動の中心である。咽頭期は下顎が固定された状態で舌骨上筋群の収縮によって喉頭が挙上されるので、下顎に付着する筋群の筋力が低下すると、下顎骨の前後的・垂直的位置が嚥下機能に少なからず影響すると推測される。そこで本研究では、顎顔面骨格形態・舌骨の位置・咽頭形態と嚥下機能との関係を、情報工学の一手法である自己組織化マップ(SOM)を用いて多次元的に解析し、嚥下機能に影響する構造的要因を明らかにすることを目的とする。
研究対象はADLランクJ(生活自立)の65 歳以上の高齢者で、本研究への協力に同意を得られた男女を対象とする。対象者の口腔内診査(残存歯、補綴物、アングルの分類、歯列の異常など)、嚥下機能のアセスメント(反復唾液飲みテスト、オーラルディアドコキシネス)、開口距離および側方運動距離および側面頭部エックス線規格写真計測(顎顔面骨格、舌骨位置、軟組織側貌および咽頭気道形態の計測)を行い、資料とする。
平成26年度実績:福岡歯科大学倫理審査委員会に本研究の倫理審査申請を行い、承認(第261号)が得られたため、本学の周辺地域の老人会会員に対して本研究への理解と協力依頼の説明会を2回開催した。その結果、26名が被験者として研究協力の同意が得られた。福岡歯科大学医科歯科付属病院 放射線科へ撮影の協力要請を行い、平成27年5月~6月にかけて、被験者26名の右側面頭部エックス線規格写真を撮影する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、ADLランクJ(生活自立)で65 歳以上の高齢者を研究対象とし、顎顔面形態および構造を計測するために頭部エックス線規格写真の撮影が必須である。そのため、放射線被曝並びに防護に関して、福岡歯科大学倫理委員会の慎重な審査と、老人会会員に十分な理解と同意を得るため協力依頼の説明会を2回開催するなど、当初の研究計画よりも計測前の準備に時間が必要であったため、進捗状況はやや遅れている。しかし、平成27年5月初旬より、被験者26名のエックス線撮影が実施できる見込みとなっている。

今後の研究の推進方策

研究協力の同意を得られた被験者26名に対する頭部エックス線規格写真の撮影を5月~6月に実施し、7月~8月に、反復唾液飲みテスト(RSST)における1回目・2回目・3回目の嚥下に要する時間(積算時間)と、オーラルディアドコキシネスの計測を口腔機能測定機器“健口くん”(26年度購入済)を用いて計測する。同時に、下顎運動の診査(開口距離および側方運動距離)および咬合状態の診査(残存歯、補綴物、アングルの分類、歯列の異常)を行う予定である。27年度前半期に資料の採取(計測)を終了し、後半期には自己組織化マップの解析準備に取り掛かれるように、研究分担者と打ち合わせを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度予算に被験者の頭部エックス線規格写真の撮影費を計上していたが、前述のように、放射線被曝並びに防護に関する倫理委員会の慎重診査、および被験者の理解と協力を得るための説明会等に時間がかかり撮影が27年5月からの実施となったこと、および口腔機能測定機器およびセファロ分析プログラムの価格値引きのため余剰金が発生した。

次年度使用額の使用計画

平成26年度に未実施の頭部エックス線規格写真の撮影経費、被験者のアセスメントと並行して使用する消耗品(歯ブラシ、補助的口腔清掃用具、口腔粘膜保湿剤)の購入経費に充てる予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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