研究課題/領域番号 |
26670914
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
峰松 健夫 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00398752)
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研究分担者 |
森 武俊 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20272586)
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
野口 博史 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50431797)
仲上 豪二朗 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70547827)
玉井 奈緒 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80636788)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スキンブロッティング / 皮膚バリア機能 / 角質細胞間脂質 / タイトジャンクション |
研究実績の概要 |
(1)スキンブロッティング法におけるタンパク質の皮膚透過メカニズムの解明(基礎研究) 角質細胞間脂質の構造的変化:角質細胞間脂質はアルデヒドなどの水溶性固定液では十分に固定されず、また脂溶性固定液では溶出してしまう。そこで当初はCryo TEMによる観察を予定していたが、設備の都合により実施が困難になったため、通常電顕(TEM)による観察を可能にする皮膚組織の新たな固定法(Wet & dry法)の開発に取り組んでいる。アルデヒド系の水溶性固定液により真皮から表皮を固定し、角質をオスミウムあるいはルテニウムのガスにより固定する。これにより、角質細胞間脂質の構造を詳細に観察できるようになった。 顆粒層タイトジャンクションの変化:Claudin-1をターゲットとした免疫蛍光法により、ニトロセルロースメンブレンの貼付によりが、Claudin-1の染色性が著しく低下し、タイトジャンクションの構造が変化していることが示唆された。今後、western blottingによる解析およびTEMによる観察を追加して構造変化を証明する。また、ニトロセルロースメンブレン除去後の回復過程を明らかにする予定である。 (2)スキンブロッティング法を用いた超早期褥瘡検出法の開発(臨床研究) 健常人ボランティアを対象とした準実験研究を実施した。マットレス上に側臥位で2時間臥床させ、臥床直前(ベースライン)、直後、2時間後にスキンブロッティングを実施した。低酸素誘導転写因子HIF-1により発現が促進されるPAI-1のシグナルが2時間の側臥位直後、および2時間後に増加しており、超早期褥瘡検出におけるバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
角質細胞間脂質の観察において、予定していたCryo TEMの使用が施設の都合で不可能となったため、新たに通常電顕用の固定法の開発を試みた。これにより顆粒層タイトジャンクションの解析も同時に解析することが可能となったため、当初の予定を前倒しで実施している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、PAI-1などのバイオマーカーを用いたスキンブロッティングによる、褥瘡の超早期検出の可能性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の前倒し実施に伴い、50万円の前倒し請求を行った。しかし、タイトジャンクションの解析に使用を予定していた抗体がメーカーで欠品しており、年度内の納品が不可能であったため、3万円強の未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
速やかに抗体を発注し、届き次第組織学的解析を実施する。
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