まず、関連要因をあらう前段階として、助産師、産科医、協働をキーワードにして得られた文献の要約150件を読みこみ、助産師と産科医の協働に関連すると考えられる要因を結果としてまとめた。これを国際学会で発表し、論文にし、学会誌に投稿して掲載されるに至った。 上記の結果を踏まえて、昨年開発した質問紙に関連要因を盛り込んだ。助産師と産科医の協働に関して、全国の周産母子医療センター394施設、助産師・産科医1970人ずつに、上記の質問紙を発送し、助産師614(31.2%)と産科医331(16.8%)からの回答をえた。 安全に対する責任、ケア計画への参与、内診、IV管理、食事を共にするでは、有意差がなかった。けれども、ケア目的が異なる、方針決定やケア計画での権限、専門意識や技術の発揮、快適さへの責任、メンバーとして対等、自由な意見交換、ケアを協働で計画する、において、産科医と助産師の間には有意差が認められ、概して助産師の方が医師よりも協働するための機会が少ないという状況が浮き彫りとなった。 協働を促進する要因は、臨床実践の側面から、教育の側面から、助産師と産科医の認識の側面から、さらに詳細な分析を行っている。次年度の助産師国際連盟での発表にむけて要約を送付し、査読結果を待っている状態である。
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