本研究では、看護トップマネジャー(看護部長)やミドルマネジャー(師長、主任等)のリーダーシップやフォロアーシップ、課題解決力を高めるため、自組織内で直面している課題を教材としながら管理者自身が継続的に取り組む管理者育成のための新たな学習プログラムの開発を目的とした。プログラム開発に向けて、(1) 現役のマネジャー向け国際大学院における教育法の特徴の整理、(2) 看護管理者へのマネジメント経験に関するインタビュー調査、(3) 経験学習プログラムに関する看護管理者との情報交換・セミナーの企画を行った。 (1) 現役のマネジャー向け国際大学院における教育法の特徴の整理:①国際大学院International Masters for Health Leadership(IMHL)の教育方法等についてMcGill大学の担当教員等から情報収集し内容を整理した。②IMHLへの参加を通じ、プログラム運営上の工夫や参加者(管理職)に起こる変化等について情報を得た。 (2) 看護管理者へのマネジメント経験に関するインタビュー調査:健康的な職場環境(Healthy Work Environment)等に興味がある又はインタビュー協力者から管理能力に長けていると推薦された看護部長11名に協力を依頼し、協力意思を示した8名にインタビューを行った(全員女性、平均年齢55.8(±2.1)歳、看護部長経験平均4.2(±2.4)年)。 (3) 経験学習プログラムに関する看護管理者との情報交換・セミナーの企画:セミナーの企画に先立ち、(1)(2)をもとに交流集会を開催し、看護管理者が日常の実務経験を教材としながら学んでいる取り組み事例を共有した上で、プログラムの実現可能性や課題について情報交換を行った。更に、これまで得た知見をもとに、経験学習プログラムを構成する要素について看護管理者向けのセミナーを企画した。
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