研究課題/領域番号 |
26670921
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
|
研究分担者 |
八尋 道子 佐久大学, 看護学部, 教授 (10326100)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
松田 正己 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (90295551)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 看護学 / 尺度開発 / 尊厳 / ベンチマーク |
研究実績の概要 |
英国においては,医療における患者の尊厳の確保について社会から高い関心を集めている。そのため、入院患者の尊厳に対する満足度や期待を把握し、さまざまな対策の効果を把握し、その後の動向や変化を提示できるツール(ベンチマーク)の開発が期待されている。本研究は,先行研究で開発した患者尊厳尺度国際版iPDS(英語版)を,英国の病院で実際に使えるベンチマークツールとして改良、発展させることを目的としている。そして、患者の尊厳に対する評価に影響を与える医療・看護上の要因を探索することを目指している。 H26年度は、ベンチマークツールとして備えるべき要件を明らかにすること、および、本研究の基盤となる先行研究の成果の妥当性を検討するために、先行研究に協力してくれた病院に対する成果報告会を(1)病院管理者、(2)調査協力者(看護職)に対して行い、意見交換を行った。さらに、英国内での調査研究協力者が所属する大学において大学院生およびその他教員を交えたセミナーを開催し、本研究のデザイン等についてアドバイスを得た。 この報告会とセミナーを通じて、英国においては病院がすでに政府などから要請されている自己評価などと内容、目的に重複がないように配慮する必要があること、および、ベンチマークツールに答えてくれる患者がより客観的に評価(回答)できるような質問形式への修正と質問数の削減などの必要性を明らかにして、ベンチマークツール(原案)を準備することができた。併せて、今後のベンチマークツール開発のための調査フィールドとして、再び研究参加への了解を得ることができた。 次年度は、本研究成果を発表する国際看護倫理学会(英国・サリー大学)において、ベンチマークツール(原案)に対する意見交換ならびに今後の現地調査の準備のための最終打ち合わせを行う。そして、患者約200名規模の質問紙調査を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画で予定していた追跡調査は、調査協力病院の都合により、現在準備しているベンチマークツール(原案)の調査と同時に行うことした。それ以外については、報告会等を通じた調査準備など、予定通りに進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
現在準備しているベンチマークツール(原案)の調査にiPDSを含めることで、対象患者および調査協力病院の負担を軽減した調査が実現できる。すでに、調査協力は取り付けており、現在、学内の倫理審査および英国での倫理審査のための準備をしているところである。
|
次年度使用額が生じた理由 |
事前の連絡調整を密に行うことにより、海外出張の日数と回数を減らすとともに、その他の経費についても節約したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
H27年度の成果報告、研究打ち合わせと実施のためのイギリス渡航経費に充てる。
|