病室の温熱環境基準、その実態に関する文献検討、および低湿度環境がもたらす影響についての被験者実験から以下の結果を得た。 (1)病室の温熱環境基準で共通した推奨範囲は、夏季は温度:24-27℃、相対湿度50-60%、冬季は温度:20-24℃、相対湿度:40-50%であった。(2)病室の温熱環境の実態は、夏季の温度は基準値よりも高く、湿度は比較的基準内に調整されていた。冬季の温度は、ほとんどの文献で、基準値よりも高く、湿度も基準より低かった。(3)冬季を想定した、低湿度環境下では、末梢部の皮膚温低下、経皮水分量の増加、まばたき回数の増加が促進され、主観的にも乾燥感が強まることが明らかとなった。
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