研究課題/領域番号 |
26670925
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
織井 優貴子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (50285681)
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研究分担者 |
佐々木 雅史 自治医科大学, 看護学部, 講師 (60531093)
黒田 暢子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (90506776)
福田 美和子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (80318873)
永島 美香 東京医科大学, 医学部, 教授 (10353103)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | シミュレーション看護教育 / 教授設計(ID) / ARCS 動機付けモデル / シナリオ / シミュレーション看護教育の評価 / 看護基礎教育 / 看護継続教育 / QSEN |
研究実績の概要 |
本年度は、シミュレーション学習のための授業設計の方法として、ARCS動機付けモデルの活用とその成果について学会の交流集会等で報告し、参加者の意見を求めた。参加者のアンケート調査より、教育における授業設計の必要性がわかったこと、その方法として、ARCS動機付けモデルを活用してみたいこと、これに関する研修会を開催してほしいこと、などが上げられた。その一方で、シミュレーション教育とは「シミュレータを用いて実施する教育」と解釈していた参加者もおり、シミュレーション教育に対する誤解がまだ存在することを改めて知ることが出来た。 そこで、看護基礎教育および看護継続教育において、「シミュレーション看護教育」とは、シミュレータを用いて行う教育方法であるというとらえ方を修正することが第一であることを改めて確認した。そのため、シミュレーション教育とは何か、を改めて確認し定義づけるための指標として、「看護シミュレーション教育基本テキストー設計・実践・評価のプロセス」をこれまでの研究成果としてまとめ、出版した。 さらに、シミュレーション教育における授業設計の必要性、およびARCSモデルの活用方法とその普及については、現在までの成果を執筆した書籍を基に交流集会等で発表し、新たな意見を求めるなどして成果を公表した。また、それまでの研究成果を論文として執筆して公表することが出来た。 加えて、シミュレーション教育に必要なシナリオについてQSEN (quality and safety education for nursing)の要素を取り入れるために、国外文献を参考にしてシナリオを作成に取り組んだ。そのため、研究期間を延長し、QSENの要素をとりれたシナリオについて検討しを重ね、研究成果としてまとめ、公表することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、看護シミュレーション教育に活用可能なシナリオを作成し、そのシナリオを活用して、教授活動を評価することとしていた。しかしながら、教育目的を達成するためのシナリオを作成することに時間を要すること、作成したシナリオの評価方法を検討することに時間を要したこと、研究代表者が異動した研究機関にはシミュレータが整備されておらず、実験用具の調達をどのようにして行うかを検討しなければならなかったことがあげられる。さらに、実際に看護系大学の協力を得て、データを集積することを当初の計画としていたが、看護シミュレーション教育という新たな分野であることから、先駆的な研究に対して思うように研究協力が得られなかった。 これらのことから、当初の計画で予定していた「シミュレーション教育の成果」を求めるための準実験研究デザインを見直し、欧米で取り入れられているシミュレーション教育に必要なQSEN (quality and safety education for nursing)の要素を取り入れた教授設計として精度を上げることを第一とした。そのため、国外のQSENを重視した看護教育に関する情報収集および、国外文献を参考にしてシナリオを作成したうえで、評価指標を検討する方向とした。しかし、今年度は、研究組織員の体調不良もあり、共同研究の遂行が一時困難になったこともあり、計画を一時中断せざるを得ない状況も生じた。 このような研究環境を調整したうえで、QSENの要素をとりれたシナリオについて十分な検討を行ったうえで研究成果をまとめることが先決であると判断し、研究分担者とも協議した結果、研究期間を延長申請することとした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画で予定していた「シミュレーション教育の成果」を求めるための準実験研究デザインを見直し、欧米で取り入れられているシミュレーション教育に必要なQSEN (quality and safety education for nursing)の要素を取り入れた教授設計として精度を上げることとする。国外のQSENを重視した看護教育に関する情報収集および、国外文献を参考にして作成したシナリオの素案ができあがっていることとから、QSENの要素をとりれたシナリオになっているかを検討し、シミュレーション看護教育システムとその教育効果測定指標の作成を目標として研究成果をまとめ、国内外に公表できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究期間を1年間延長したため
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次年度使用額の使用計画 |
会議のためのの旅費、物品費に使用する
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