研究課題/領域番号 |
26670928
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中山 美由紀 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70327451)
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研究分担者 |
岡本 双美子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (40342232)
藤野 崇 近畿大学, 医学部附属病院, その他 (50758406)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 家族看護学 / 継続教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、臨床現場における看護継続教育において、家族看護学教育を担う人材の育成を目的としている。 そのために臨床における家族看護教育の在り方を探求し、臨床看護師のニーズや臨床看護実践能力習熟段階に沿った家族看護教育内容を検討した。 昨年度実施した「継続看護教育において家族支援専門看護師が認識している家族看護教育の内容と課題」の調査を論文にて公表した。家族支援専門看護師14名に対してインタビューを行った結果として、家族看護教育の実施内容は、「家族とは」「家族の病気体験」「家族とのコミュニケーション」「家族看護アセスメント・計画立案」等であった。教育実施上の工夫として、【スタッフのニーズや困難に応える】【スタッフとの関係を形成する】【家族看護の理解を促すように継続教育の方法を検討する】【継続的にスタッフを支援する】の4カテゴリが抽出され、教育上の課題は、【家族に意識が向かない】【家族看護の難しさから関わりができない】【家族看護の教育のシステムが充分でない】【専門看護師として組織的に活動することに制限がある】の4カテゴリが抽出された。さらに、臨床看護師対象に家族看護の教育のニーズ調査を実施した。臨床看護師のニーズとして高いものは家族看護介入であり、アセスメントや理論などのニーズは低かった。臨床ですぐに活用できるものにニーズは集中する傾向があることがうかがえた。これらは次年度に学会に報告する予定である。 これらの結果を統合し、将来家族看護教育を担う可能性のある看護師対象に家族看護講座を実施した。参加者は約30名であり、講座前後の意識や実践の変化を現在分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査結果から、プログラムの検討において、研究協力者である専門看護師師と会議を持つ機会も少なく、講座の開始が遅れた。さらに対象者である看護継続教育における家族看護教育担当者に対する教育プログラムとして参加者を募集したが、臨床で実際に家族看護教育を担当する者は少ないため、参加者は家族看護実践に興味を持つものが中心であり、臨床との調整が難しいものでもあった。しかしこの参加者は、将来家族看護教育を担う可能性があるため、プログラムを実施した。プログラムの内容変更などから実施が遅れた。今後プログラムの参加前後においての家族看護に対する意識と実践の変化の分析を行い、より使いやすい家族看護教育ハンドブックを作成する。
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今後の研究の推進方策 |
実施した家族看護教育プログラムの評価を行い、教育プログラムで使用した資料をさらに検討し、家族看護教育ハンドブックを作成する。プログラム参加者にハンドブックを配布し、臨床で活用できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
家族看護教育プログラムの内容検討に関して、家族支援専門看護師との会議の日程調整が難しく、検討に時間を要した。さらに対象者が集まるのにも時間を要したことから、プログラムの開始が遅れた。このため、その評価を次年度に行う必要性が生じた。また、本評価から、家族看護ハンドブックを作成し、プグラム参加者にハンドブックを配布する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
家族看護教育プログラムの評価から、家族看護ハンドブックの作成を次年度に実施する予定である。プログラムの評価の報告とハンドブックの印刷などに予算を執行する。
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