研究課題/領域番号 |
26670930
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
小西 美和子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60295756)
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研究分担者 |
増野 園惠 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (10316052)
信川 創 福井工業大学, 環境情報学部, 講師 (70724558)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 災害看護 / 復興期 / 健康生活情報 / 地理情報システム |
研究実績の概要 |
本研究の目標は、被災地の健康問題を予測し、介入意思決定支援システムの構築を行うことであるが、その前段階としてこの2年間の研究期間に災害後、中・長期における被災地住民に対する迅速かつ効率的な情報収集および情報集約のデータシステムの構築、GISを用いた健康・生活関連情報を可視化するシステムの構築を行うことを目指している。 平成26年度の研究では実施計画①、②に基づき行った。実施計画①はICTを用いた効率的で迅速な情報収集・集約システムの構築(平成26~27年度)、実施計画②はGIS(地理情報システム)を用いた被災地域の健康生活関連情報を可視化するシステムの構築を行うことである(平成26年)。 進捗状況として、ます研究環境の整備を行った。データベースシステム構築用のサーバーセット等機器類の設置、ArC GISソフトが搭載されたコンピュータを購入し研究体制を整えた。またGIS技術の獲得の機会を設け、講習会等に積極的に参加し、GISの仕組み、活用方法について把握し、情報収集や知識・技術習得を行った。 実施計画①ではICTを用いた情報収集・集約システムを開発するため健康生活関連情報収集入力用のテンプレートの項目およびその枠組みを検討した。その結果、これまでの文献検討内容では不足していることから、新たに災害看護の文献検討を行い、健康生活を悪化させている影響要因を洗い出した。実施計画②ではGISを用い被災地域の健康生活関連情報を可視化するシステムを開発するためさらにGISを活用し災害領域において研究を行っている専門家に知識提供を受ける機会を設け、健康生活関連情報をGISにどのように組み入れていくかについて進み始めたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の目的に対し達成度はやや遅れているとした。その理由として、3つあげられる。一つは、研究分担者の信川講師の勤務地異動等で、研究体制の整備や調整に時間を要した点である。この点については現在は支障なく研究体制は整ってきている。2つめの点として、GIS技術を健康生活情報とどのように結び付けていくかの知識・技術の習得に予想していた以上の時間を要した点である。3つめとして、被災地の活動に携わる専門職への情報収集等が予想以上に難しく研究として着手することが困難であったことである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の将来的な目標は、被災地の健康問題を予測し、介入意思決定支援システムの構築を行うことであるが、その前段階としてこの2年間の研究期間に①災害後、中・長期における被災地住民に対する迅速かつ効率的な情報収集および情報集約のデータシステムの構築、②GISを用いた健康・生活関連情報を可視化するシステムの構築を行うことを目指している。とくに今年度力を注ぎたいことは、研究目的②である。GIS技術については、昨年度末から研究者や技術者とのネットワークを強化し、技術習得に向けた取り組みを始めたばかりであるが、そのなかで本研究を進めていくうえでの示唆を十分に得られており、今年度中には形にできると考えている。まずこれまでに検討した「健康生活関連情報収 集入力用のテンプレート」をArc GISのクラウドアプリケーション上で実装する。そしてスマートフォンやタブレット端末から入力できる環境を整備する。その後、災害現場で活動した経験を持つ看護師・保健師に調査(聞き取り調査等)を実施し、本研究で構築したシステムの評価を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が予定通り進まなかっため、フィールド調査や国際学会等での成果発表等で生じる旅費の執行が大幅に滞った。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、計画書にあるように災害現場で活動した経験を持つ看護師・保健師に聞き取り調査を実施し、本研究で構築したシステムの評価を実施する予定である。また災害看護関連の学会で発表すると共に原著論文としてまとめ、公開していく予定である。
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