慢性疾患患者においてストレス対処力とは何であり、それはどのようなもので、向上させるためには何が必要であるのか明らかにすることを目的とした。ストレス対処力として有用な概念は、ストレッサー処理に重要な人生に対する見方、向き合い方の感覚である首尾一貫感覚(sense of coherence: SOC)であることが挙げられた。慢性腎不全、脳血管疾患、HIV陽性者のそれぞれに対する調査の結果、SOC尺度の測定は問題なく適用可能で、一般人口よりも低い得点であった。SOCの向上には、特に対処資源の観点から自身の人生経験に対する意味づけをしなおし、使用できる資源を再発見することが有用であることがわかった。
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