研究課題/領域番号 |
26670942
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研究機関 | 四日市看護医療大学 |
研究代表者 |
小寺 直美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (80612910)
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研究分担者 |
中神 克之 四日市看護医療大学, 看護学部, 講師 (20551237)
小笠原 ゆかり 四日市看護医療大学, 看護学部, 准教授 (50335048)
蓑田 さゆり 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (60460648)
水野ルーイス 里美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助教 (90583790) [辞退]
児屋野 仁美 四日市看護医療大学, 看護学部, 助手 (80644400)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 看護学生 / 災害看護プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、大規模災害時に看護学生が看護補助ボランティア員として避難所において、安全かつ効果的に活動するための事前教育プログラムの開発およびプログラムの継続を可能にするためのシステム構築を行うことである。 今年度は、研究メンバー間で毎月検討会を開催し、看護学生を対象とした看護補助ボランティア員育成の事前教育プログラムの開発のため、プログラム内容およびプログラム運営の検討を行った。プログラム内容の精選のために、前年度行った東日本大震災発生直後に実際に活動した当時の看護学生や看護職者へのインタビュー結果より、実際に避難所で実施されていた医療・看護・介護の内容から看護学生が避難所で実施できる内容の検討を行った。さらに、文献や災害看護学教材を参考に検討を深め、最終的に「災害看護の基礎知識」「災害時要援護者への理解」「被災者の心理・援助者の心理への理解と援助」「避難所運営」「避難所における保健・衛生管理・感染症対策」「災害時に必要な看護技術」の6つのプログラム内容が抽出された。これらのプログラム内容から具体的なプログラムの内容を検討した。事前教育プログラムの運用については、大学生活や授業に影響のない程度の時間数として12時間程度のボリュームで講義と演習で構成し、事前教育プログラムの試行運用の日程として夏季休業期間である8月の2日間で計画している。 次年度は平成27年度8月に事前プログラム試行運用を行うために、倫理審査承認後より、災害時看護補助ボランティア員の対象となる看護学生を募集し、事前教育プログラムの試行運用を実施し、評価・修正を行う予定である。また、継続可能なシステム構築を行うために、地域の自主防災組織の開催する防災訓練や避難所運営訓練等への定期的な看護学生の参加や、意見交換会などの会合をもち、地域との連携や事前教育プログラムの評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の計画は、災害時看護補助ボランティア員育成のための事前教育プログラムを開発することである。 今年度は、事前教育プログラム開発の第一段階として、事前教育プログラムの内容および運用方法について検討を行うために月1~2回のペースで検討会を開催し検討を進め、プログラム内容を決定した。しかし、プログラムの具体的な内容の検討については、まだ十分に検討できていない部分があり、実際にプログラムを運用するまでに至っておらず、次年度8月に試行運用するために早急に具体的な内容を決定する必要がある。また、計画では今年度、地域の自主防災組織の開催する防災訓練や避難所運営訓練などへの定期的な看護学生の参加や地域住民との意見交換会を行い、看護学生と地域との連携を計画していたが、積極的な実施に至っていない。このようなことから、研究の達成度としておおむね順調に進んでいると評価した。 次年度は、4月にプログラムの具体的な内容を決定し、事前教育プログラムを完成する予定である。その後、5月に四日市看護医療大学倫理審査申請を行い、7月には学生のリクルートを開始し、8月に事前教育プログラムの試行運用をし、事前教育プログラムの試行運用後には、プログラム参加者側と運営側の両者から評価できるようアンケートや聞き取りを行い、事前教育プログラムの修正を行う予定である。また、今年度実施できなかった看護学生と地域との連携をはかるための地域の防災訓練や避難訓練に参加する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の研究計画としては、まず災害時看護補助ボランティア員育成のための事前教育プログラム開発に向けて、次年度は試行運用を行い評価・修正をしていく。次に、継続した教育プログラムを構築していくために、看護学生を継続的にリクルートできるような方法を検討することが必要である。さらに、災害時看護補助ボランティア員として派遣・活動を可能とする継続可能なシステムを構築することである。 事前教育プログラムは試行運用に向けてやや遅れている状況ではあるが、次年度はプログラムを実施し、参加者と運営側の両者から評価・修正を行いプログラムの完成を目指す。 継続的なプログラムとしていくための看護学生の継続的なリクルートは、学内掲示版を利用して年間を通して案内することを考えている。また、9月に行われる大学の防災訓練の終了後に「災害時に必要な看護技術」の演習時間を設定し、学生が自由に参加できる機会を設け災害看護に興味が持てるようなイベントも企画している。 災害時看護補助ボランティア員として派遣・活動を可能とする継続可能なシステムの構築では、地域の自主防災組織の開催する防災訓練や避難所運営訓練などに看護学生が参加できるよう、調整を進めていくことが重要であり、その訓練を重ねていく中で、地域住民と看護学生間のコミュニケーションが図れ、実際に大規模災害発生時に派遣・活動が可能になるのではないかと考える。しかし、看護学生が防災訓練や避難所運営訓練に参加することで学業への影響や身体面・精神面への負担を考慮しなければならないため、年間計画を立て、学生への負担とならないようなプログラム構築が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の計画は、災害時看護補助ボランティア員育成のための事前教育プログラムの開発であった。 今年度は、事前教育プログラム開発の第一段階として、事前教育プログラムの内容および運用方法について検討を行った。しかし、プログラムの抽出に時間を要したため具体的な内容の検討には至らず、東日本大震災被災地への調査ができなかった。また、プログラムの運用の際に必要となる災害看護教育や防災用品の購入の検討もできなかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、災害時看護補助ボランティア員育成のための事前教育プログラム開発に向けて内容を具体化し、プログラムの運用に必要な災害教育や防災用品の購入を計画的に行う。 平成27年8月に試行運用を計画しており、事前教育プログラムの試行運用後には、東日本大震災被災地へ調査に行き、プログラムの評価・修正を行い平成28年3月までに事前教育プログラムの完成を目指す。
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