研究課題/領域番号 |
26670944
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
菅田 勝也 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (20143422)
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研究分担者 |
大西 麻未 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 人的資源管理 / ナースプランナー / 養成プログラム / プログラム評価 / キャリア開発 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、看護における体系的な人的資源管理の実践プロセスおよび課題を明らかにし、人的資源管理を職務とする者に求められる能力についての示唆を得ることを目的に文献調査及びインタビュー調査を実施した。インタビュー調査は、国内の病院で、病院全体の看護師の教育やキャリア開発に責任をもつ看護管理者(看護部長、副看護部長)5名を対象に実施し、看護師の教育プログラムの企画、運営、評価を中心に、その方法および課題について尋ねた。得られた結果について、プログラム評価の5段階であるニーズ評価、プロセス評価、セオリー評価、効果の評価、効率性評価の観点から現状と課題を分析した。その結果、プロセス評価は確実に実践されている例が多いことが明らかになった。一方、ニーズ評価、効果の評価については、管理者間のディスカッションあるいは教育を受ける看護師自身の評価に基づき行われているものの、データを用いた評価を行うには指標の選定が課題であり、継続的・長期的な評価には至っていない例が多い状況であった。また、人的資源管理を職務とする者に求められる能力として、データ分析能力、情報活用力、プログラム立案のための企画力、組織化能力などがあげられ、このような能力を基盤として、部署の看護管理者と協働して人的資源管理を展開する立場の人材が必要であることが示唆された。これらの結果から、人的資源管理を職務とする人材は、看護師の能力評価とその指標や医療・看護の質管理とその指標に関する知識及び活用方法、部署の管理者との協働によるプログラム立案、プログラムの短期的・長期的評価について知識・技術を習得することが必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人的資源管理を職務とする人事担当者や教育担当者を対象とする調査を予定していたが、今年度の調査で得られたデータを分析した結果、適切な調査内容とするためにはやや情報が不足していたので、さらに情報を収集して次年度に実施することにした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には計画通り米国のナースプランナーの活動や求められる能力について訪問調査を行うとともに、遅れている国内での調査を実施する。これらをもとに、わが国の状況に応じたナースプランナー養成プログラムを作成し、平成28年度に試行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
人的資源管理を職務とする看護職を対象とした調査を次年度に延期したため。
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次年度使用額の使用計画 |
米国のナースプランナーに関する情報を得るために訪問調査を行うとともに、国内での調査を行うために使用する。
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