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2014 年度 実施状況報告書

視線運動分析に基づく難易度の高い看護技術のトレーニングシステムの開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 26670946
研究機関兵庫医療大学

研究代表者

網島 ひづる  兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (90259432)

研究分担者 大西 英雄  県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (10326431)
竹田 千佐子  兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (10148273)
山田 千春  兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (00510869)
荻野 待子  兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (20420747)
平岡 玲子  関西国際大学, 保健医療学部, 助教 (00514283)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード視線運動 / 看護技術 / トレーニングシステム / ビデオ画像
研究実績の概要

本研究は視線運動分析に基づく難易度の高い看護技術のトレーニングシステムを開発することを目的とする。本研究で取りあげる難易度の高い看護技術とは卒後1年以内に修得が期待される技術項目のうち、学部教育の臨地実習において経験する機会が少ない・侵襲性の高い看護技術とした。臨地実習における経験度を検討した結果、「導尿」「気管吸引」「点滴静脈内注射」の3項目を取りあげることとした。また、熟練者(認定看護師)と卒後1年目との熟練度の違いを視線運動から分析し、その結果に基づいてトレーニングシステムを開発する。
視線映像や視線運動を計測のためのモバイル型アイマークレコーダ(EMR-9)を使用するため、メーカーの担当者に機器の操作や分析方法を確認した。その後、研究代表者および研究分担者は実際に装置のセッティング方法、キャリブレーション方法、計測方法などを具体的に確認し予備練習を繰り返した。
熟練者(8名)を対象に3項目の技術をモデル人形に実施しデータを収集した。データは視線運動(視線の動き、瞳孔のサイズ、注視領域・注視頻度、注視速度、注視方向、視線の軌跡)、実施中のビデオ撮影画像(動作の違い、動作の連続性と停止時間、欠落した動作・数、動作の正確性)、実施後の自己記入式質問紙調査票(経験回数、困難を感じる動作、実施中の気づき)である。現在までの分析結果から、熟練者の傾向として、安全・清潔面における技術の重要ポイントにおいて視線運動に特徴的な傾向を示していた。また、全体的な動きのうち欠落した動きもあり、これまでの実践経験の影響がうかがえた。さらに自己記入式質問紙調査から、熟練者の実施技術と所持している知識のつながりが明確でないことがわかった。今後は卒後1年目の看護師のデータを収集し、その比較結果をもとに、トレーニングシステムの開発へと続けていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

平成26年度は、熟練者(認定看護師)と卒後1年目看護師との技術の違いを明確にし、その結果をもとに、難易度の高い看護技術(導尿、気管吸引、点滴静脈内注射)のトレーニングシステム案を開発する計画であった。熟練者を対象にしたデータを収集し、現在、その結果を分析中である。ビデオ画像から熟練者の行動・視線運動の特徴、認識の特徴などの一部が明らかになっている。しかし、卒後1年目の看護師を対象にしたデータ収集は、次年度の早々に繰り越す状況である。
研究進度が遅れている理由は、視線追尾システムの取り扱い練習に時間がかかったこと、また、熟練者の認定看護師の所属が5施設となり、データ収集の日程調整などが難しかったことがあげられる。しかし、現在は、研究代表者・研究分担者ともに、視線追尾システムの取り扱いには、キャリブレーションを始めとする操作について上達した。また卒後1年目の看護師の研究参加の募集を計画しており、早急に研究対象者を確保し実施する予定である。

今後の研究の推進方策

平成27年度前期に卒後1年目の看護師を対象にしたデータを収集し、熟練者のデータとの比較検討を実施する予定である。研究参加対象者の倫理的配慮を考慮した依頼と同意を速やかに進めるために、研究協力者の協力を受けて募集し、現在、研究対象者は確保(8名)できている状況である。モバイル型アイマークレコーダ(EMR-9)の取り扱いは研究代表者・研究分担者の4名が上達している。次回のデータの収集は短時間で必要なデータが収集できると予測できる。
また、卒後1年目の看護師を対象にしたビデオ画像の分析、視線運動の各データの分析計画は、熟練者の結果をもとに立案し、それに沿って進めたい。また、トレーニングシステムの枠組みは、研究代表者と研究分担者2名において、2群のデータ分析と同時に進める予定がある。その後、熟練者と卒後1年目の看護師のデータの比較検討から得られた成果を基に、どのようなトレーニング内容をシステムに追加すればよいのかを検討して加え、難易度の高い看護技術(3項目)のトレーニングシステムを提案したい。開発したトレーニングシステムの有効性の検証については、平成27年度後期に実施する予定である。この有効性については卒後1年目の看護師を対象にデータを収集する予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に視線運動の諸データを収集するため視線追尾システムを購入する予定で予算を計上していた。所属大学の設備として1台購入されたこともあり購入予定であった1台をレンタルしたこと、また、計画が遅延しているため、レンタル回数が1回にとどまったことなどの理由から未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度は、研究進度が遅延しているため、短期間でデータ収集・データ分析をするためのモバイル型アイマークレコーダ(EMR-9)のレンタル料(1回に2台をレンタル)や人件費、研究対象者の交通費、また研究成果発表に係る旅費などの費用に使用する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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