本研究の目的は,頭頸部がんにより化学療法,放射線療法を受ける患者の自覚症状の変化に伴う食事・栄養摂取状態の特徴を明らかにし,治療過程別の頭頸部がん患者の食生活指導をガイドラインとして提言することである。 放射線療法群は,治療終了時に口内乾燥,咽頭痛が有意に高値となり,穀類,肉類等の摂取量が有意に低下した。化学療法群は,治療中に食欲不振,倦怠感が有意に高値となり,穀類,肉類,魚介類等の摂取量が低下した。両群とも血清Alb値,たんぱく質摂取量が有意に低下したため,患者が摂取しやすい半熟卵,豆腐等の摂取によりたんぱく質を補給し,患者の血清Alb値を改善することが課題となった。
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